正木美術館の名品紹介 Vol. 18

[Summer Exhibition]

正木美術館の名品紹介 Vol.18 -Summer Exhibition-

【会場】 パークホテル東京 25F アトリウム
【期間】 2019年6月14日(金)~9月12日(木)
【料金】 無料
正木美術館ホームページ http://masaki-art-museum.jp

大阪の泉北郡忠岡町にある正木美術館は、中世水墨画や墨蹟を中心に茶道具、仏教美術作品、考古資料などを幅広く所蔵しています。本展は東京汐留パークホテル東京25階のアトリウムで18回目となる展覧です。今回は当館コレクションの中から、仏教美術をテーマに作品をご紹介いたします。仏教は6世頃に日本に伝来して以降、我が国の社会と文化に大きな影響を与えながら広く浸透していきました。人々の信仰の対象としてつくられた仏像や寺社に伝わっていた什宝など、作品に込められた信仰の在り方をご高覧ください。

【作品解説】

1 「不動明王像(ふどうみょうおうぞう)」平安時代 8世紀~12世紀

不動明王は密教で信仰される尊像で、大日如来の化身ともいわれる。右手に降魔(ごうま)の剣、左手に羂索(けんさく)(衆生救済の象徴とされている縄)を持った姿が一般的によく知られる。
本作は大部分が錆に覆われているが、衣紋線や胸元の瓔珞(ようらく)(珠玉を連ねた装身具)などの装飾は現在も確認でき、もとは全体に鍍金が施されていたため部分的に鍍金の跡も残っている。鼻梁の先端が欠損しているものの、ぎょろりとした眼と太い眉毛を備えた厳めしい顔つきであったことが見て取れる。頭頂部と右手には穿孔が見られ、上向きの左の掌も平らに削られていることから、本来は装飾具や持物(じもつ)が付属していたものと考えられる。

2 「押出仏(おしだしぶつ)」奈良時代 8世紀

押出仏とは、薄い銅板を型にのせ、工具でたたいて仏像の形を写し出したものである。六世紀末に中国から日本に伝わり、七世紀から八世紀にかけて国内で盛んにつくられた。押出仏の作例には、本作のように像一体だけを表したもの、三尊仏を表したもの、小さな像をいくつも並べて表したものなど、様々な図様が見られる。比較的簡単に造仏できるため個人礼拝に用いられたり、厨子や寺院の堂内装飾などに用いられた。本作では、頭に大きめの化仏(けぶつ)をつけ、右手を胸元で掲げながら斜めを向いた観音菩薩像が表されている。

3 「青銅(せいどう) 孔雀文磬(くじゃくもんけい)」鎌倉時代 12~14世紀

磬はもとは古代中国の石製の楽器で、吊るしてばちで打って音を出した。一枚だけで用いる場合と、同様のものを複数枚連ねて吊るして用いる場合があったという。日本では奈良時代頃から制作が見られ、密教の法具として使用されていたが、後に他宗派でも用いられるようになった。
本作は青銅を鋳造してつくられており、山型の薄い本体の縁に菱形断面の太い縁が巡らされている。上縁の左右には吊り鐶が付き紐を通すようになっている。本体中央には蓮華文型の撞座(つきざ)(ばちが当たる部分)があり、左右を孔雀文が飾っている。

4 「鍍銀(とぎん) 五鈷杵(ごこしょ)」鎌倉時代 12~14世紀

五鈷杵は金剛杵と呼ばれる仏教の法具の一種で、インド神話の武器を基にしてつくられたものとされている。日本には奈良時代から平安時代にかけて中国から伝わり、密教や禅宗などで用いられる。鬼目(きもく)と呼ばれる中央の装飾を持つ柄(つか)とその両端に刃がつく形状で、この刃の数や形によって独鈷杵、五鈷杵、七鈷杵など名称がかわる。

本作は鬼目の左右に三重線で括った二重蓮弁の装飾がついた柄をもち、両端の四本の刃にはそれぞれ小さな雲形の装飾が付されている。中央の刃の周りについた四本の刃が外側に張り出した意匠である。

5 「秋篠寺瓦(あきしのでらかわら)」天平時代 8世紀

瓦は仏教建築の一部として朝鮮半島の百済から日本にもたらされた。本格的な伽藍を備えた日本で最初の仏教寺院である飛鳥寺(奈良県)は、日本で最初の瓦葺寺院としても知られている。飛鳥寺が建立された六世紀末以降、瓦は日本各地の寺院の屋根に葺かれるようになった。
秋篠寺(奈良県)は奈良時代に法相宗の僧善(ぜん)珠(しゅ)によって創建された寺院である。本作は軒丸瓦(のきまるかわら)と呼ばれる軒先に葺く瓦で、大正十四年に発掘された。二重に連なった花弁で蓮の花を表現する複弁蓮華文は奈良時代の軒丸瓦の主流であった模様で、当時の大ぶりで優美な装飾表現が見て取れる。

 

Masaki Art Museum
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