パークホテル東京では、アートを媒介に日本の美意識のひとつでもある「設え」によるおもてなしでゲストをお出迎えしております。その取り組みのひとつとして、日本の四季を表現する展示会ART coloursを開催しています。29 回目となる今回は、「夏」をクリエイティブ・プラットフォーム「Pocko(ポコ)」によるキュレーションで表現いたします。
「夏はいつも最高のできごとの予感がする…」
—チャールズ・ボウデン(アメリカ/ノンフィクション作家)
真夏のグループ展。様々なバックグラウンドを持つ国際色豊かなアーティストたちによる、未来へと開かれた新作コラボレーションを含む、大掛かりな展覧会を企画いたします。
まるで夏の偶然の出会いのように。アーティストコラボレーションの歴史は語るまでもないでしょう。例えばマルセル・デュシャンとマン・レイ。ジャスパー・ジョーンズとロバート・ラウゼンバーグ。あるいはアンディー・ウォーホルとジャン=ミシェル・バスキア。
夏は、無限の可能性がひらかれる時。日は長くなり、気温は高まり、海にだって行きたくなる。夏といえば自由と青春。学校も衣服も脱ぎ捨てて。冒険、可能性、探検のとき。夏は、私たちを信じさせてしまうのです。
偶然に引き寄せられた夏の出会いは、人生の転換点にだってなり得ます。一期一会のスパイスに彩られ、アーティストたちの様々な作品が、有機的な化学反応を引き起こす。波、それはエネルギーの振動と揺動。はるか遠くの岸からやってきたクリエイティビティの波の数々が、その偶然の出会いをめがけ、ひとつに溶け合う瞬間を捉えて、未知の新たなエネルギーを生み出します。
本展では、国際的な知名度の著名アーティストから若手クリエイターまでを一堂に会し、写真、絵画、イラストレーション、アニメーション、彫刻作品など様々なメディウムをPocko(ポコ)のキュレーションで展開いたします。日本に初上陸を果たすPocko Japan(ポコ・ジャパン)の根幹に流れるコラボレーションと橋渡しへの想いは、いよいよ日本とヨーロッパの狭間を、クリエイティブの創り手と語り手たちとの狭間をつないでゆきます。
「波打ち際だけでは、海の全容は知り得ない。」
—ウラジーミル・ナボコフ(ロシア/アメリカ/スイス、作家・詩人)
[キュレーション] Pocko(ポコ)
[主催] パークホテル東京
期間: 2019年6月3日(月) ~ 9月1日(日)
時間: 11:00 a.m. ~ 8:00 p.m.
場所: 25F / 31F / 34F
料金: 無料
Michela Picchi | Ushiki Masanori | Linn Fritz | Kyoko Hamada | Marco Oggian | Paul Bower | Hiro Sugiyama | Svetlana Fialova | Ichiro Kono | Martin Holtkamp | Nomoco | Van Santen & Bolleurs | Vasty | Keenue | Geray Mena | Atsuhide Ito | Bijou Karman | Lobulo Studio | Niky Roehreke | Haruna Kawai
*アフタヌーンティーのデザートの一つとしてご提供
ヒロ杉山
1962 年 東京生まれ。1986 年 東洋美術学校卒業後、湯村輝彦氏に師事。 1987 年 谷田一郎と近代芸術集団結成。 1997 年エンライトメント設立、米津智之が参加。伝説のフリーペーパー「トラック」を創刊(全7 号) 2004 年、箭内道彦氏と風とバラッド設立。
スヴェトラナ・フィアロヴァ
スヴェトラナ・フィアロヴァは実践において、習慣的な境界に同調し、有限性についての考察を論破しようとする一方で、媒体としてのドローイングを絶えずに展開する。彼女はスロバキア及び世界の美術史における形式的特徴を取り入れつつ、現代のヴィジュアルアートの流行を融合させる。普段、自分の人生や物語が主なテーマとして前景になり、他にも(自己の)神話や皮肉、ポップカルチャー、フェミニズム、性別、身体像などもとり扱う。メディアや日常の凡庸さから自発的にインスパイアされたものが、深いかつ無情な自己批判と混ざり合う。そしてそれらの間の境界が曖昧になり、同様の対象の異なる視点に変化していく。多層状の配置と特定のイコノグラフィーや内在するメタファーに溢れるこれらの作品は、しばしば神秘に包まれ、強烈で精神的な姿を見せる。
マーティン ホルトカンプ (写真家)
ドイツ出身、イギリスBournemouth & Poole Art College卒業。1993年からロンドンを拠点に、ファッション・音楽業界に主軸を置き、「i-D」誌、「Ninja Tune」レーベルなど多数の出版・音楽メディア、グローバルブランドの広告等での撮影を手がける。彼の写真には、眺めるにつれて被写体の本質が浮かび上がる、魅力的な世界が広がっている。1999年以降、セルフプロジェクトやコマーシャルワークを欧州や日本の著名ギャラリーにて展示。
2007年に拠点を東京へ移し、ポートレートや建築・都市風景にフォーカスした様々なプロジェクトを継続中。
福岡生まれ。セントラル・セント・マーティンズ(修士)を卒業後イラストレーターとして活動。グループ展と個展をロンドン、ミラノ、メキシコシティ、ニューヨーク等でおこなっている。作品は自然や音から受けるインスピレーションを元に、インクの不規則な動きを利用して創作。自然・街・女性などをテーマにインク画と版画作品を作っている。
キーニュ
1992年神奈川県生まれ。ペインティング作品をはじめ、オリジナルアイテムの販売、壁画制作など、様々な活動を展開。具象でありながら抽象絵画のような世界観を独自の色彩感覚で構築し、表現の可能性を広げる。個展の開催や、国内外多数のグループショー・プロジェクトへの参加、またABC-MART、Adobe、NIKE、SHAKE SHACKなどの企業とのコラボレーションにも注目が集まる。
伊東篤英
は美術作家であり、絵画を中心に作品を発表してきたが、エッセイ、ヴィデオなど多岐にわたるメヂアを使い、活動をしている。忘れられたインタビユーに新たな解釈を加え再現し、現在と未来に関わる、見逃してしまったされた過去に戻り、今を考え直していく。ダストロジスト(ほこり学者)としても活動し、ほこりを採取、保存し、見えるものと見えないものの境界線にあるほこりから、さらに見えないもの、検出できない物、例えば、放射能汚染のもたらす、危険と安全の狭間を考えていく。現在、危険を伴いつつも、傷を負った場所が観光客を呼ぶアトミック観光についての考察をしている。
最近の出版物は 「コンクリートの宮殿と取りつかれた修道院」、「幽怪なイメージ」(ともにCommon Ground Publisher)、「多孔性な洞窟理論へ」(Routledge, and Taylor & Francis). 最近の展覧会は 「Cache 隠されたもの」(アンガスヒューズ画廊、London)、「インスクリプシヨン」アトリウム画廊 Nottingham), 「ムーン ダスト 博物館」Copenhagen など。
チーフカクテルデザイナー
ニューヨーク国際バーテンダースクール卒。
国内外のホテルやバーでカクテルの真髄を学ぶ。
自己啓発セミナーとしてのカクテル講座や Suzuki Takayuki Bartender School を主宰するなど、
個人から企業まで、カクテルを通じてのライフスタイルを提案している。
著書「パーフェクト・マティーニ」
Whisky Magazine「ウイスキーカクテル」連載。
ラウンジ&バー 料理長
1994年、芝パークホテル入社。レストラン「プリムラ」を皮切りに、フレンチレストラン「フォーシーズン」にてエスコフィエの真髄を学ぶ。2015年、パークホテル東京「アートラウンジ」及び「ザ ソサエティ」料理長に就任。パークホテル東京の世界観を創造する「発想の自由さ」を大切に、多様性のある料理を提供している。