アーティストルームの 40室目は「樹街鳥獣図」をテーマに金丸悠児さんが制作し、2024年3月に完成しました。
Room #3413 | 完成:2024.03
広く真っ白な壁に思いっきり動物たちを描きたい。
そう思った私は、世界的に知られる江戸時代の画家「伊藤若冲」へのオマージュとして「樹花鳥獣図」ならぬ「樹街鳥獣図」を描くことにしました。動物と樹木と街が織りなす異空間、部屋から展望できる東京の景色すらも作品の一部にしてしまおう。さらに陸の動物たちと対をなす水中の生き物たち。私が得意としている街と動物が融合したシリーズ、巨大なカメとヤドカリ。
天井付近の壁にも想いを込めました。2匹の狛犬、彼らが口元で示す「阿吽」は万物の始まりと終わりをあらわすといわれています。「阿形」の狛犬から右に進むと「子」から始まる十二支が順番に登場し「亥」まで進むと最後に「吽形」の狛犬に帰着します。
「生命への讃歌」と「永い年月の循環」を感じていただくこと、私が画家として表現したいことを全てこの部屋に注ぎ込みました。
1978年神奈川県生まれ。2003年東京藝術大学大学院デザイン専攻修了。在学中から大藪雅孝と中島千波の薫陶を受ける。社会におけるアーティストの役割を常に意識し、2002年アーティスト集団C-DEPOTを設立。2015年「金丸悠児作品集 -時を運ぶ者たち-」マリアパブリケーションズより刊行。独自のマチエールを用いた技法により、想いを投影する器として動物を描いている。
2005年 損保ジャパン美術財団選抜奨励展(損保ジャパン東郷青児美術館)
2006年 韓国青年ビエンナーレ(大邱文化芸術会館/韓国)
2007年 ShinPA!(おぶせミュージアム・中島千波館、佐藤美術館)以降〜’20
2018年 個展「WILD PLANET -セイメイの春- 展」(パークホテル東京)
2019年 モリカラモリヘ(信州高遠美術館)
朝日新聞「歌壇・俳壇」挿絵を担当
2021年 個展「Animals’ Session」(おぶせミュージアム・中島千波館)
描画図鑑(佐藤美術館)以降毎年
2022年 現代日本画の煌き(新見美術館)