アーティストルームの 36室目は「子供時代」をテーマにサイトウノリコさんが制作し、2023年9月1日に完成しました。
子供時代、青い空がどこまでも広がって、雲はぐんぐん流れていて、太陽はカラッと唐揚げみたいにカラカラしていて、目の前にあるものを追っていった感覚。木に登って、ジャンプして、虫を捕まえて、かくれんぼして、それからどんぐりを探しに山へ行く、沢山見つけたら、コンクリートの上で、指が擦り切れるくらい削る、それをコマにしたり、笛にしたりして飽きるまで作る、その後は鬼ごっこ。散々走って、笑って、転げ回って、走り疲れたら、その辺の草を引きちぎって食べてみたりする
「おお青草の匂い!!よーしっ次は海に行こう!」時間はどこまでも永遠・・・今ここに生きている。時を刻んでいくみたいに壁にぶつけて描きたかった。そしてこの部屋に入った人が、原点に戻って、素敵なアイデアが浮かんで、自由な心で過ごすことができたらいいなと思っています。引き出しを開けてみて!そこは地中にいる虫達のねぐら。バスルームのドアはたくさん遊んだ女の子が魚を抱えて家に帰ってくるところです。それから黄金のバスルームタイム、木々の間から昼間の太陽の匂いがしそう・・・
Room #3405 | 完成:2023.09
小さい頃家の近くに造船所があって、そこの廃材所から鉄のガラクタ、レンガを持ってきては憧れのロボットを釘で引っ掻いて作っていました。釣りもやったし、くたくたになるまで走り回って遊んでいました。常にどこか頭の片隅に、星はきちんとした五角形の薄っぺらなキラキラしたもので、空に張り付いていると思っていました。17歳の時先生に、そこを指摘されて初めて空間と星の世界がわかった気がした。そこでパアッと目覚めた瞬間だったのを覚えています。私の作品は主に銅版を使ってニードルで引っ掻いて描いています「Lifeシリーズ」というタイトルで日常を描いています自由に見える感覚の中に非日常があります。ハッピーに見える中にも世界は常に何かが起こっていてどんどんめまぐるしく変わり、平等ではないし、答えもない、いつもどこかで戦争もしている。そのどうしようもない事を、言葉とか、その時のその人のルーツを探って、自分の中で噛み砕いて、描いています。一本の筋みたいなもの、自分が自分であり続けるためにどんな出来事があっても少しのユーモアと自由は存在する。近年はハーバード大学美術館がそのLifeシリーズ作品と他数点を買い上げて展覧会、ワークショップを行った。
1973 神奈川生まれ
1998 多摩美術大学絵画科版画専攻 卒業
2000 多摩美術大学大学院美術研究科 修了
個展
1997 サエグサ画廊/東京
2000 KEYギャラリー/東京
2001 ・2003 ギャラリーポエム/東京
2002 Siddharthaギャラリー/ネパール
2004 小野画廊/東京
2005・2006・2007・2009(ATLER・K)横浜
2011・2012(ギャラリータイム)東京
2015 ザ・トールマンコレクション東京
2017 ギャラリー時舟/横須賀
2018・ 不忍画廊/東京
パークホテル東京Corridor Gallery34
2019・2021 不忍画廊/東京
受賞歴
1997 全日本大学版画展/買い上げ賞(町田版画美術館)
2015 第14回セミナリヨ現代版画展/朝日新聞社賞
第4回バンコク国際版画&ドリーイングトリエンナーレ
/買い上げ賞
第12回国際グラフィックアートビエンナーレ
ドライポイント /グランプリ(セルビア)
2016 第15回セミナリヨ現代版画展/南島原市商工会賞
第10回まどかぴあビエンナーレ/審査員特別賞
2017 第16回セミナリヨ現代版画展/長崎県教育委員会賞
2018 第17回セミナリヨ現代版画展/NCC長崎文化放送賞
主な活動
2006 Malaspina Printmakers(Canada)にてアーティストレジデンス、カナダに1ヶ月間滞在、トンプソンリバー大学、キャピラノカレッジ、エミリーカー、マラスピナプリントメーカーズにて制作発表する。
2012 横須賀美術館にて、子供のワークショップ「いろいろガリアート」を行う
2019 ハーバード大学美術館にて、ドライポイント「銅版画」の公開講座を行う。同時に展覧会も開催される
2023 パークホテル東京にてアーティストルーム手がける。3ヶ月間、部屋をペイント制収蔵。町田版画美術館、雪梁舍美術館、多摩美術大学美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、米国議会図書館ワシントンDC、スミス大学美術館、ハーバード大学美術館
グループ展国内外多数