俳句

「俳句」をテーマにアメリカ在住の美術家、藤浪理恵子さんが2016年5月14日から制作をスタートし、ホテルに滞在しながら約2か月間制作を続け、2016年7月11日に完成いたしました。

そっとつぶやくように瞬間を切り取り、永遠を短い一説に結晶化した俳句は、“HAIKU”として愛され、現在多くの国で創作されています。「心に浮かんでくる言葉が言語を超えて、ここで過ごされる方々の心に、それぞれの俳句が去来することを願って制作しました」という藤浪さん。自己の思想・感情を主体として表現するものでなく、自然の中の微妙な情景－時、光、香り、空気の移り変わり、音、そしてその中に身を置く自分自身を5、7、5の音節に託す俳句の世界観を表したお部屋を制作しました。

アーティストルームでは初めてとなる映像と音を用いた装飾。幻想的な音と共に、壁に映し出された池に鯉が泳ぎます。流れるように変化する色彩。ベッドの周りにはぐるりと蓮の絵が描かれ、横たわり天を仰げば、そこには漆黒に浮かぶ天の川が。窓の横には銀色に輝く月と、芭蕉の句「月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿」が書かれています。高層31階の客室に広がる自然の中、俳人の気持ちを知り、一句詠んでみてはいかがでしょうか。

アーティストルーム「俳句」では、刻一刻と変わりゆく光と影の中で、俳句の世界を体感いただけます。

スタッフからのおすすめコメント
部屋の中にいながら星空を眺めているような気分になる、アーティストルーム俳句をご紹介します。
アーティストの藤波さんは「心に浮かんでくる言葉が言語を超えて、すべての方の心に俳句が去来することを願って」制作されました。
ベッドの周りは水辺に咲く蓮の花が描かれ、ベッドに横になると天井には天の川があり、星座を眺めているかのように感じられます。プロジェクターから壁に映し出される、月のように青くて丸い映像の中では、鯉たちが月で泳いでいるかのように見えます。映像が移り変わることによって部屋全体の雰囲気も変わってきます。また、映像とともに幻想的な音楽も流れ、とても心地よい空間です。
まるで宇宙にいるかのように感じられるアーティストルーム俳句は、一人で静かな時間を過ごしたい方にお勧めです。

Room #3102  |  完成：2016.07