アーティストルームの 49室目は「お面」をテーマに林ホノカさんが制作し、2025年9月に完成しました。
Room #3422 | 完成:2025.09
この空間は「不思議な国、日本」をテーマに制作しました。ご滞在のひとときが、日本の文化やアートに触れる小さな旅となるよう、遊び心とアジア的な美意識を織り交ぜています。
日本における《お面》は、能楽などの伝統文化では神の化身として神聖な場に登場し、あちらとこちらの世界を繋ぐ役割を担ってきました。一方でお祭りにおいては、笑いやユーモア、福を呼ぶアイテムとして親しまれてきました。
大人もお子さまも、それぞれの感性で楽しめるように構成されたこのお部屋で、ぜひリラックスしながら、神聖さと遊び心、伝統とポップカルチャーが共存する、日本の不思議な世界に触れてみてください。
奈良県出身。同志社女子大学卒業。
Independent Tokyo2022審査員特別賞(高橋正宏賞・吉田広二賞)受賞。以降、日本国内に加え、韓国のK Auctionやパラダイスシティホテル、台北のART TAIPEIなど、国内外で幅広く展示を重ねている。傘とレイングッズのブランド「KASANOWA」デザインや、「KUNtea」アートワークを手がけるなど、アートとデザインを横断した活動を展開中。
モチーフとして繰り返し描く〈お面〉は、古来より神や精霊、動物の力を宿すものとして世界各地で親しまれており、特に日本では、神の化身として舞台に現れる一方、祭りでは笑いやユーモア、福を呼ぶアイテムとして受け継がれてきました。
同時にそれは、顔立ちや表情、人種や性別といった葛藤を覆い隠す装置であり、外の世界から身を守る“護符”、そして“抑圧の象徴”でもあります。その二重性を抱えながら、現代社会にかすかに残る救いや希望をすくい上げ、「はみ出した存在」として自己を描いています。