アーティストルームの 46室目は「空中公園」をテーマにきゃらあいさんが制作し、2025年3月に完成しました。
Room #3409 | 完成:2025.03
私たちの日常は、忙しさに追われているといつの間にかつまらないものになってしまう。そんな時、非日常を感じるために、知らない感情に出会うために、私たちは旅をする。
この客室の窓からは、東京タワーやビル群、そして遠くには富士山が見え、私はこの景色がまるで非日常のゲームの世界のようにも見えて胸が高鳴った。
壁に描かれた少女たちは、東京上空のこの公園で自由に軽やかに遊んでいる。旅行中の非日常をさらに感じながらもリラックスできる、パステルカラーでドリーミーな客室として仕上げた。
ゲームのような自由な冒険はずっと続くわけではないけれど、日々を楽しめる心はいつも持っていたい。そして、いつでも旅に出られる平和な日常を願う。
1996年 大阪府生まれ
2018年 京都造形芸術大学アートプロデュース学科卒(現・京都芸術大学)
「いつかあったような日常」をベースに、幼い頃に親しんだ少女漫画のような大きな瞳の少女や、ファンシー雑貨のような色彩を用いて表現しています。また、絵自体が子どものおもちゃやノートに描いたお絵かきのようであることを大事にしています。いつか汚れたり壊れてしまいそうなものに美を感じます。
思春期のころから、現実よりもインターネットでの人との繋がりが深かった自分にとって、SNSは切り離せない存在です。楽しいこともあれば、見知らぬ人々の喧嘩や暴言が目の前に流れ着いて、過剰に心を乱してきます。そんな日常生活で生じる心のゆらぎを捉え、善悪・明暗などで分けることのできない複雑な現代社会や人間関係を描こうとしています。
なぜそういったものに心が惹かれるのかと考えると、自身がインターネットに出会う前、現実を一所懸命に生きていた時に身近にあったものが、SNSや日常生活で浮遊しつづける自分の心を留めてくれるような気がするからかもしれません。