作家からのおもてなし -部屋に宿る物語を聞く Vol.2 芸者金魚

パークホテル東京が2012年に始めた「アーティスト・イン・ホテル」は、客室をキャンバスに見立て、アーティストが滞在しながら作品を描き上げるプロジェクトです。完成した部屋は「アーティストルーム」として宿泊でき、お客様はアートに包まれた特別な時間を楽しめます。その中で、9番目に完成した部屋「芸者金魚」を手がけたのが成田朱希さん。今回は、完成から10年を経たいまだからこそ語れる制作秘話や、当時の思いを伺いました。

テーマ誕生の背景

「金魚を描いてみない?」という画廊からの提案がきっかけだったそうです。芸者と金魚は縁起物であり、遊び心を加えた組み合わせがテーマとなりました。そして、「夜は金魚鉢の中にいるような感覚になる」という成田さんの言葉通り、非日常を楽しむホテルならではの世界観が部屋いっぱいに広がります。 さらに、この部屋には「都会のど真ん中でタイムスリップを感じる面白さ」を込めたと成田さんは語ります。ホテルは非日常を楽しむ場所だからこそ、その体験をもっと盛り上げたいという思いで制作に臨んだそうです。「アーティストルームは、作家からのおもてなしだと思うんです」という言葉が印象的です。

制作秘話とこだわり

制作期間は約7か月かかったそうです。「天井は下書きなしの“一発書き”で、壁紙が絵の具を吸い込むため、白い部分は4~5回も下地を塗る苦労もありました。」と語ります。 ヘッドボード上の絵は、大正時代の日本画家の妖艶な作品から着想を得たものだそうで、赤を大胆に使った部屋は、アーティスト・イン・ホテルの中でも際立った存在です。

完成後のエピソードと10年後の想い

部屋全体を見渡しながら「頑張ったな」と振り返る成田さん。
下書きなしで描きながら考えた結果、まとまりある部屋に仕上がったと語ります。 部屋全体に描かれた金魚が、縦横無尽にひらひらと泳ぎ、訪れる人に不思議な浮遊感を与えます。その世界観は、今も宿泊客を魅了し続けています。

都会のど真ん中で、異世界に迷い込んだような感覚を味わえる「芸者金魚」の部屋。非日常を楽しむ旅に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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“日本の美意識が体感できる時空間”

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