芸者金魚

第9弾 成田 朱希

「金魚」をモチーフに画家の成田朱希さんが2014年7月30日から制作をスタート、2015年2月13日に完成いたしました。
「窓から外を眺めたときに、水槽の中にいるようなイメージが湧いた」という成田さん。客室を水槽に見立て、このプロジェクトでは初めての画材となる油絵の具で壁紙に挑戦、7か月という時間をかけて、赤い金魚を壁面のみならず天井にも作画いたしました。まるで宙に浮かんだ水槽という御座敷で遊ぶ、芸者の出で立ちをした妖艶なる金魚たち。縦横無尽にひらひらと泳ぐ金魚が、部屋にいる人間に不思議な浮遊感を感じさせてくれます。「古来、縁起物として名高い金魚に囲まれた部屋で見る夢が、宿泊するお客様に幸運をもたらしますように」という思いで描き上げました。

ここで見る夢は、うつし世の暗示か恋の予感か。 アーティストルーム「芸者金魚」で素敵な夢をご覧ください。

 

スタッフからのおすすめコメント

成田朱希先生の芸者金魚は異世界にいるかのような錯覚を覚えます。
最初に部屋に入ったとき、暗い壁に囲まれた入り口は、藻や小魚が生息する海底を思わせ、その先には水槽の生命の中心部があります。そこに立っていると浮いているような感覚になり、周りには金魚たちが壁や天井をいきいきと泳いでいます。
私がこの部屋で一番気に入っているのは、窓のカーテンで隠された小さなディテールです。窓の左上には、東京タワーと富士山の間に二匹の金魚が浮かんでいるように見えます。部屋全体だけでなく、外の世界も水槽であることを暗示しているかのように思えました。
部屋の中では、芸者が金魚の中に混ざり合っています。赤い着物の柄を見ると、その動きや色などが似ています。芸者が金魚に変身したのではないかと思ってしまいました。
ベッドの後ろに描かれた芸者を見ると、まるで眠っている人の夢を見守るためにいるような気がします。古来より、金魚の夢を見ることは幸運の前兆とされ、近い将来に願いが叶う可能性を象徴していると言われていて、それがこの部屋の原点となっています。成田朱希先生は、この部屋がお客様に金魚の夢と幸運をもたらしてくれることを願っています。

Room #3107  |  完成:2015.02

Artist’s Message

〈金魚、夢占い〉

  • あなたの夢に金魚が登場したなら、それはあなたの運気が上昇傾向にあるという素敵なお知らせです。
  • たくさん金魚が泳いでいる夢を見たあなたは、それはあなたの心と身体が絶妙に高揚し合い、まるで、急に濃霧が消え失せたような晴れ晴れとした万能感に満たされるという暗示です。
  • またその時、金魚が泳いでいる水を意識したなら、それはあなたが見たり触れり確かめたりできない大切な何かへの導きで、水が澄んでいたなら第七官界彷徨(第六感の先)へ、もし濁っていたなら、ビアホールへ出かけましょう。
  • 金魚をもらう、捕まえる、網や手で金魚をすくい上げるという夢を見たあなたは、それはあなたに革新的な創造やひらめき、出会いが訪れるという大吉夢です!今すぐ旅立ちの準備を始めましょう。
  • らんちゅうの夢を見たあなたは、それはあなたの無意識の感情を覚醒させ、あなたを解放し思いがけない幸福感をもたらすという予兆であり、それはそれはうしろめたい程あなたを蕩(とろか)す夢になりましょう……

「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと/江戸川乱歩」
成田朱希

“日本の美意識が体感できる時空間”

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