「金魚」をモチーフに画家の成田朱希さんが2014年7月30日から制作をスタート、2015年2月13日に完成いたしました。
「窓から外を眺めたときに、水槽の中にいるようなイメージが湧いた」という成田さん。客室を水槽に見立て、このプロジェクトでは初めての画材となる油絵の具で壁紙に挑戦、7か月という時間をかけて、赤い金魚を壁面のみならず天井にも作画いたしました。まるで宙に浮かんだ水槽という御座敷で遊ぶ、芸者の出で立ちをした妖艶なる金魚たち。縦横無尽にひらひらと泳ぐ金魚が、部屋にいる人間に不思議な浮遊感を感じさせてくれます。「古来、縁起物として名高い金魚に囲まれた部屋で見る夢が、宿泊するお客様に幸運をもたらしますように」という思いで描き上げました。
ここで見る夢は、うつし世の暗示か恋の予感か。 アーティストルーム「芸者金魚」で素敵な夢をご覧ください。
スタッフからのおすすめコメント
Room #3107 | 完成:2015.02
〈金魚、夢占い〉
「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと/江戸川乱歩」
成田朱希
1966 青森生まれ。
幼少時から漫画、絵本等を手本に独学で絵を描き始め、人形作家の兄の影響で文学・画集を見るようになる。二十歳頃青森から上京、美術評論家ヨシダヨシエ等と出会い「画家」として歩み始め、その後も細江英公、秋山祐徳太子、平賀敬、工藤哲巳など大御所アーティスト達と二十代から交流、芸術の質を高めている。
現在、個展・企画展・挿画等で作品を発表している。
装丁・挿画の仕事・・・『ミッドナイト・コール/上野千鶴子著』、『玩物草子/澁澤龍彦著』朝日新聞社、『或る酒場/萩原葉子著』毎日新聞社、『妄想老人日記/野坂昭如』新潮社、『棟居刑事の凶縁/森村誠一』双葉社など多数。