「日本人の日常」をテーマに画家の中嶋修さんが2016年8月8日より制作をスタート、ホテルに滞在したり通ったりしながら制作を続け、2016年8月24日に「アーティストルーム 日本人」が完成いたしました。
「いつの時代も人は変わらず『日常』を作っていくのだと思う」という中嶋さん。書き溜めているという膨大な量のスケッチをホテルに持ち込み、壁の大きさ、家具とのバランス、光の入り具合などを見ながら、慎重に場面・画材を選び、オムニバス形式で直接壁に描きました。
電車の中で、学校で、駅で、たまたま中嶋さんと同じ場所にいた人たち。スマホに視線を落とす人もいれば、待ち合わせをしている人もいる。中嶋さんがよく通っているという寄席の風景もまた、日常の一場面です。再構成してないです、見たままそのままです、という壁の絵に描かれているのは、嘘偽りのない現代の日本人。この部屋では、日常という最もラディカルな日本の美をお楽しみいただきたく思います。
スタッフからのおすすめコメント
皆様は日本人に対してどんなイメージを持っていますか?
海外では日本人は、真面目、丁寧、繊細だと思われていることも多いようです。そんなイメージが強い日本人の、ありのままの日常を描いたお部屋が本日紹介するアーティストルーム、「日本人」のお部屋です。アーティストの中嶋修さんによると、目に見えたものをそのまま描いたというこの部屋は、横浜の桜木町駅前の風景や商業施設で買い物をする人々、電車の中など、私たちの日常生活の一部を切り取ったような情景がそのまま部屋全体に描かれています。
そのため、この部屋に描かれている風景や人は、中嶋さんと同じ電車、学校、駅でたまたま場所に居合わせた人たち…。もしかすると、今この投稿をご覧になられているあなたも描かれているかもしれませんね。アートとは派手なものや斬新なデザインのものが多く、パークホテル東京のアーティストルームも奇抜でインパクトのあるデザインのお部屋が数多くあります。しかしこの日本人のお部屋は、シンプルでありながら他のアーティストルームとは明らかに雰囲気が異なっており、日本人ならではの丁寧さや繊細さが詰まったお部屋です。
非日常を味わうホテルステイも贅沢ですが、このお部屋にご宿泊の際はぜひ、夜景を見降ろしながらありのままの日常を感じてみてください。
Room #3124 | 完成:2016.08
電車に乗ってみる。広場に出てみる。お店をのぞいてみる。
そこに生活する人がいる。
多くは日本人。
ともに生活してきた人。
いつしか、携帯電話、スマートホンの時代になり、
カセットテープやレーザーディスクがなくなったように
生活は変わっていく。
見たものをそのまま 描きました。
描かれたものが、似ていないなら、他意はありません。
うまく描けなかったんです。
21世紀のある時の日本。
私の眼に映った人。
中嶋 修
土地、町、人々、学校生活、寄席、演芸、市井の生活、身近なものをスケッチするのが好きで、鳥瞰図、風俗画、体に感じたもの見たものをそのまま造形しています。
油彩、テンペラ、水彩、水墨などを画材とする。