16室目は「おたふく」をテーマに画家の近藤亜樹さんが2015年5月7日から制作をスタート、ホテルに滞在しながら9日間制作を続け、2015年5月15日に完成いたしました。
「おたふくの顔に、日本の美のすべてが詰まっていると感じた」という近藤さん。部屋に入るとまず目に入るのは、微笑みを浮かべて宿泊者を迎える大きなおたふくの顔。近藤さんは「五徳の美人」とも言われ、古来人々のお手本にもされていた「おたふく」の顔を描くことで、慎み深さや謙虚さといった、日本人の心の美しさを表現いたしました。また反対側の壁には、その控えめで静かな姿が日本人に愛されてきた梅の木が、壁のみならず天井まで描かれています。ベッドを包み込むように描かれた梅の木は、遠くから見れば力強さに溢れ、近くで見れば繊細で、一つ一つ違う表情を見せてくれます。
現代東京を象徴するアイコン、東京タワーに臨むこの部屋に描かれたのは、「おたふく」という顔の造作になぞらえた古の日本人の美しい心、おもいやりの心です。
近藤亜樹さんが提案する日本の美を、「アーティストルーム おたふく」でどうぞご覧ください。
スタッフからのおすすめコメント
部屋に入るとまず目に入るのは、大きなおたふくの顔です。おたふくは、おだやかで、すなおで、礼儀正しく、おとなしく、ひかえめということからは五徳の美人と言われています。古来人々のお手本にもされていた「おたふく」の顔を描くことで、慎み深さや謙虚さといった、日本人の心の美しさを表現したお部屋です。また反対側の壁には、その控えめで静かな姿が日本人に愛されてきた梅の木が、壁のみならず天井までアクリル絵の具でダイナミックに描かれています。ベッドを包み込むように描かれた梅の木は、遠くから見れば力強さに溢れ、近くで見れば繊細で、一つ一つ違う表情を見せてくれます。ベッドに寝て天井を見るとおたふくのにっこりした顔が自分を覗いて見ているようで、少し驚いてしまう方もいるかもしれません。
その他にも、テレビ横の丸い鏡からベッドを覗いて見てみるとおたふくがこちらを見ているように感じ,どこにいてもおたふくに見られているように感じてしまうかもしれません。しかし、徐々に時間を共にし、見る場所を変えて見てみれば色々な表情をみせてくれるおたふくに愛着が湧くことでしょう。クローゼットの中にも日本の伝統的な遊び、福笑いの絵が描かれており、遊び心もくすぐられます。このお部屋は天気の悪い日や気分が優れない日などにも元気をもらえる、そんなお部屋だと思います。
一度入ったら忘れることができない、五徳の美人「おたふく」と思い出を作ってみませんか?
Room #3105 | 完成:2015.05
「おたふく」は五徳の美人。
おでこが広いのはおおらかさ。ほっぺは丸く包容力があり、目は全てのものを優しく見つめ、
口元はいつも微笑みをたやさず、鼻が低いのは謙虚である。
日本の古い文化では、おたふくは最高の美徳として、人々のお手本になっていました。
わたしが提案する日本の美は、おたふくという顔に込められた、おもいやりの心です。
近藤 亜樹
1987年 北海道生まれ