相撲

第1弾 木村 浩之

作家、木村浩之さんのメイン作風である「相撲」をモチーフに
日本国技である伝統の部分を丁寧かつユーモラスに描き、
ホテル既存の客室に直接筆を下す「一発勝負」の緊張感から生まれる、
アーティストの作風を尊重する新たな取り組みとなりました。

スタッフからのおすすめコメント

皆さんは相撲のお部屋と聞いてどのようなお部屋を想像しますか。日本の国技といわれ、伝統文化でもある相撲の魅力がつまった世界に一つだけのお部屋を紹介します。
相撲の起源はなんと神話の時代にまでさかのぼります。いつの時代にも日本の人々や文化に大きく関わってきた相撲はスポーツという枠だけに収まらず、歴史、文化、神事、競技など様々な役割をもち日本人にとって無くてはならない特別な存在です。
私は実際に相撲の試合を観たことはありませんが、力士の方をお見掛けしたことがあり、そのオーラと力強く歩く様がとても印象的だったことをよく覚えています。いつか両国国技館で相撲の試合を観ることが夢です。
アーティストの木村浩之さんは、相撲は自然に対する感謝と人々の繁栄を願う、日本の形と考えています。「力士たちの精神を伴った肉体がもつ輝きを画面に表したい」と、日々の稽古のスケッチや、自らも相撲を取り相撲の全てを肌で感じながら作品を制作します。その経験から描かれたユーモラスで今にも動き出しそうな、力強い力士たちがとても印象的です。また、パークホテル東京のアーティストルームの中で一番初めに完成したお部屋です。お部屋の力士たちは3種の黒を丁寧に使い分け、美しい筆さばきでなめらかな力士の曲線を表現しています。バスルームのカラフルな力士たちも私のお気に入りポイントです。幕内力士の土俵入りの際に行われる所作が描かれています。アーティストルーム相撲に宿泊して力強い力士たちからパワーを頂いて、相撲の魅力を感じてみませんか。

Room #3123  |  完成:2012.12

Artist’s Message

相撲は日本の国技ですが、単なるスポーツではなく、日本人にとってもっと特別なものです。
例えば相撲の基本運動の四股は、地中に住む悪いものを踏みつけ、実りのある土地になるよう願いをこめる意味があります。
地に足を着け農作物を育て、腰を据えて生きてきた姿が四股になっています。

また力士に赤ちゃんを抱いてもらい、健やかに育つように願う慣習があります。
健康や、福を象徴する力士に抱いてもらうことで、子孫繁栄を願った儀式です。

このように相撲の所作や習慣にはひとつひとつ意味が込められており、
競技だけではなく人々の発展を願った儀式でもあると言えます。

昔の日本人が厳しい自然の中で自らの体ひとつで健やかに生きていく為の知恵が相撲に込められており、
だからこそ大切な土地を水や塩で清め、地面を固め、末永く元気でいられるよう相撲を取ります。
相撲は自然に対する感謝と人々の繁栄を願う、日本の形なのです。

私は日日の稽古をスケッチし、また自らも相撲を取り、相撲のすべてを肌で感じながら制作しております。
日本の文化を凝縮した相撲の中にある万感の思いを絵画やテラコッタに託してみたい。
土俵に生きる力士の輝きを感じて頂ければ幸いです。

木村 浩之

“日本の美意識が体感できる時空間”

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