アーティストルームの 37室目は「東京借景」をテーマに池平徹兵さんが制作し、2023年9月に完成しました。
その瞬間に制作意欲が最も湧くもの、最も塗りたい色だけを日々キャンバスの中に加えていくという方法で、全てのモチーフを本当 に描きたい気持ちで描くことを追求している。
キャンバスを埋め尽くす、動物、植物、人間など様々なモチーフが、鮮やかな色彩で混在する作品。
私の描きたいもの、そして、家族や地域の人々の描いたものの集合体が、不思議な調和で成り立つ作品を生み出し続けている。
-池平徹兵
Room #3407 | 完成:2023.09
視界の全てを大切に思えた時、人は幸せな気持ちになれる。私はその日に最も描きたいものをキャンバスに加えていくという方法で、画面の隅々までを大切な部分で満たした絵を描く。
私は日本庭園の「借景」の考え方を取り入れ、その世界を絵の外へと広げた。この空間では、机やゴミ箱まであらゆるものが互いを引き立て合う。さらにそれを窓の外の東京の景色にまで広げることを目指した。自然界のシンプルな規則性から成り立つ美しさとは違った、人の巣の多様性を見て、それも私は美しいと思った。
この天井画はホテルの社員や宿泊客などが描いた143枚の「水面の絵」で出来ている。ベッドから見上げると一つとして同じ水面はない。この部屋は「一つになることを目的とせずに一つになる世界」で覆われている。自然も都会も人々も、視界の全てを大切に思える作品「東京借景」はインクルージョンを実現した世界である。
また、日本庭園の借景にはその瞬間にしか見ることの出来ない、移り変わる自然の景色を切り取る楽しさもある。この「東京借景」も訪れた人が東京の今を切り取ることで完成としたい。
1978 福岡県生まれ
2001 島根大学教育学部学校教育教員養成過程保健体育専修卒業
<個展>
2018 「池平徹兵展 TOKYO MERMAID PRINCESS」パークホテル東京
「今を灯して」hpgrp Gallery Tokyo(東京)
2018 「海から山へ 山から海へ」茨城県 県北芸術村推進事業交流型アートプロジェクト2018
2019 「ミテハナソウ展」佐倉市立美術館 企画NPO法人芸術資源開発機構ARDA(千葉)
「地球に生まれて」アートラインかしわ(千葉)
2020 「Origin of the universe」ヨロコビtoGallery(東京)
2021 「最後のライオン」H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHI(東京)
2021 「始まりのライオン」NEWoMan YOKOHAMA 企画hpgrp Gallery(神奈川)
2022 「瞬景 スポーツにおける美術表現」ヨロコビto Gallery(東京)
「色彩が透明に帰る場所」FLORE Artist Gallery 企画アプリュスセー合同会社(神戸)
「透明な小道」アートラインかしわ(千葉)