アーティストルームの 45室目は「窓と椅子」をテーマに杉山佳さんが制作し、2025年3月に完成しました。
Room #3426 | 完成:2025.03
まず部屋に入ると、大きな窓が印象的でした。
室内それぞれの壁面に窓があったら良いなと思い、構成を考えました。
窓には部屋の内側と外側を繋ぎ、外界の風景を映し出す役割があります。そういう意味では絵画も外界を映すという意味では同じ効果があります。窓枠と絵画をそれぞれの壁面に配置しいろいろな景色を楽しめる部屋にしたいと思い制作しました。
私は普段、人物の見立てとして椅子を描いています。椅子や日用品を描くことで間接的にその持ち主を想起させるのが制作の狙いです。そして実際の窓の向かいの壁面にたくさん椅子を描きました。集合写真のような構図で描きました。
夜になると窓に椅子が映り込んで不思議な空間になることを期待します。
1988年奈良県出身。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻日本画修了。
〈見立て〉と〈引用〉をテーマに制作。人物の見立てとして椅子や室内風景を描く。また既存の人物画から構図を引用し、あえて人物を描かずに鑑賞者に想起させる作品も手掛けてきた。
クレヨンで線を引き、その周りを粒子の荒い岩絵具で厚塗りする技法で描く対象は〈子供の本気〉くらいのフォルムを目指している。これがなかなか難しい。
2011年 東京藝術大学美術学部絵画科日本画入学
2015年 東京藝術大学美術学部卒業 同大学大学院日本画入学
2017年 東京藝術大学修士課程修了 同大学美術研究科美術専攻日本画博士後期課程入学
2020年 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻日本画修了博士号取得博士論文『不在』