【展示】正木美術館の名品紹介 Winter Exhibition

 大阪の忠岡町にある正木美術館は、中世水墨画や墨蹟を中心に茶道具、仏教美術作品、考古資料など幅広く所蔵しています。

 本展はパークホテル東京のアトリウムで8回目となる展覧です。今回は中国の北宋~明時代の器物、そして漢時代の明器 (墳墓の中に埋めるために制作した器物)を、正木美術館のコレクションの中から選んでご紹介いたします。中世日本において至上の美術品とみなされ珍重されていた中国渡来の品々は、それ以降の日本の美意識の形成に大きな影響を与えてきました。中世日本の眼から見る美の世界をどうぞご堪能ください。

 

 

正木美術館の名品紹介 Vol.7 -Winter Exhibition-  

【会場】 パークホテル東京 25F アトリウム
【期間】 2016年12月12日(月)~2017年3月9日(木)
【時間】 11:30~22:00 
【料金】   無料

 正木美術館ホームページ http://masaki-art-museum.jp 

 

【展示作品】

1. 青磁香炉 郊壇窯 南宋時代
2. 河南天目香合 北宋時代
3. 青磁平鉢 龍泉窯 南宋時代
4. 灰陶加彩 辟邪 漢時代
5. 元祥瑞三ツ葉皿 明時代

 

 【作品紹介】

No.1 「青磁香炉 郊壇窯」(せいじこうろ こうだんよう) 南宋時代

郊壇窯は中国浙江省杭州南の郊外に存在した、作陶技術が最高潮に達していた南宋時代の官窯 である。

器体全体に青灰色の釉薬が薄くかかり、窯変によって黄褐色に発色している部分も多く見られる。三つ足の先端の露胎 部分は焼成によって赤褐色を呈す。

平たい胴から伸びた太く短い首や平らに広がる口縁部、三つ足を伴なう本作のような香炉の形状は、元来は鬲 (れき)とよばれる中国青銅器の形を模したものであったが、日本では袴を穿いた姿に似ることから袴腰香炉 (はかまごしこうろ)とよびならわされている。

透かし彫り が施された金属製の蓋は後から補われたものである。

 

 

No.2 「河南天目香合」(かなんてんもくこうごう) 北宋時代

河南天目は中国河南省を中心とする華北地方でつくられた黒釉陶器である。黒色または黒褐色の色調を呈する天目釉が用いられ、茶碗をはじめ、鉢、瓶、合子 など多くの器物がつくられた。

本作は鉄分を含んだ黒褐色を呈する釉が、身の側面と見込、蓋の表面にかけられている。高台は灰褐色の素地が見える露胎となっており、ベタ底(ろくろ成形で箆などで切り離し、平たい底部にしたもの)にしている。ふっくらと張り出した蓋部や手のひらに収まる整った器形が美しい。

雷文繋 や唐草文の文様を彫り込んだ三つ足の木製の台座を伴っている。

 

 

No.3 「青磁平鉢 龍泉窯」(せいじひらばち りゅうせんよう) 南宋時代

かつては中国の南宋時代に宮廷御用の青磁を焼いた官窯の一つ、修内司 (しゅうないし)官窯でつくられたものと見られていたが、現在では中国浙江省西南部の龍泉市を中心に発展した龍泉窯の優品とされている。

器体全体に粉青(ふんせい)色といわれる色調の釉が薄くむらなくかかっている。厚い釉層と濁りのない淡く澄んだ青緑色が特徴的で、丁寧で整った作行き(作者の個性や癖の現れ方、作品の趣)が看取される。平らな鍔(つば)状の口縁を持つ形状は中国の北宋末期の銀器に類例が見られ、本作はそれらを模したものである可能性が指摘されている。

 

 

 

No.4 「灰陶加彩 辟邪」(かいとうかさい へきじゃ) 漢時代

 灰陶は中国でつくられる土器の一種で、胎土が焼成後に灰青色を呈するもののことを指す。堅くて実用性が高いため、日用の様々な器物がつくられた。

本作は胎土を成形して焼成した後、白化粧 をした上で加彩を施したものと考えられる。現在は部分的にわずかに赤色の加彩跡が確認できるものの、大部分が剥落して胎土が露出しており、制作当時の彩の様子はほとんど看取できない。

辟邪は古代中国の想像上の神獣で、邪悪な魔を払うと考えられていた。本作のような辟邪像は墓の入り口に墓守として設置されることが多かったようである。

 

 

No.5 「元祥瑞三ツ葉皿」(もとしょんずいみつばさら) 明時代

大きくくびれた三ツ葉形の皿である。口縁と高台の畳付(たたみつき。茶碗などの高台において畳に接地する部分)を残して白釉が厚くかかり、その上から透明釉が全体に施されている。白色の胎土でやや肉厚に成形されており、ずっしりとした手取りである。

見込には鮮やかな染付 が施されている。底面を三分割にして山水や組亀甲 といわれる文様で隙間なく埋めており、側面にも舟人物や楼閣を描写した水辺の風景を一続きに染付している。

祥瑞は明時代末期の崇禎 年間(1628~44)に景徳鎮 でつくられた。日本的な意匠が特徴的に見られるのは、主に日本の茶人からの注文品であったためと考えられている。

 

 

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