パークホテル東京が行っている「アーティスト・イン・ホテル」プロジェクトは、日本人のアーティストが「日本の美意識」をコンセプトにホテルに滞在しながら客室の壁や天井に制作したプロジェクトです。2017年には「ジャパン・ツーリズム・アワード」で国内・訪日領域「領域優秀賞」を受賞しました。
今回は、「ウォールアート」を、お客様をパークホテル東京へといざなう大切な空間であるホテルエントランス、地下2階のエレベーターホールにアートを施しました。制作を行ったのは「アーティスト・イン・ホテル」プロジェクトで「アーティストルーム 歌舞伎」を手掛けたOZ-尾頭-山口佳祐。「露地」からインスピレーションを受け、「間(はざま)」というテーマでエレベーターホールに作画しました。
日本独特の空間美、「間(はざま)」の世界観をお楽しみください。
スタッフからのおすすめコメント
地下二階にある「間」という空間はお部屋ではなく、エレベーターホールです。色味は金を基調としていますが薄暗いため、もの悲しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この空間の意味を知れば捉え方が変わってくるでしょう。この空間を手掛けたのはアーティストルーム歌舞伎の制作者でもある、OZ-尾頭-山口佳祐さんです。OZさんは、「露地」からインスピレーションを受け、この空間の制作をしました。露地とは、茶道で大切にされている空間で、茶室に向かうための庭園のことです。しかし、お察しの通り、ただの庭園ではありません。茶室は神聖な場所とされており、露地は非日常的空間に向かうための心の準備や、精神統一をするために設けられています。もちろん、ゲストがホテルに向かう間に精神統一をする必要はありません。しかし、地下鉄から繋がっている「日常」の空間から、ホテルロビーに繋がる「非日常」の空間に誘う「間」が、あなたの来館を特別なものにするのです。パークホテル東京という私たちが最大限のおもてなしを提供する場が、お客様にとって茶室のように感じて頂けたらと思っています。
Room #B2F エレベーターホール 間(はざま) | 完成:2018.12
私たちは、潜在的に“間”を意識しながら生きている
自然に対して、ヒトに対して、時間に対して、空間に対して
万物に潜むその存在が、私たちの感覚をより豊かにさせる
この露地に描かれた線や形の奥行きに、“間”は存在しているのだろうか
日常と非日常の“間(はざま)”のその先に、日本の美意識が体感できる時空間があなたを待っている
日本特有の思想や感覚、現代の発想や画法を融合し、
万物に秘められた”何か”を追求しながら筆を走らせ続けている画家.
幼少の頃から創ることを好み、10代前半から制作活動を始める.
2001年からライブペイントを始め、即興性と場の特異性を追求.
一方で数々の依頼制作や店舗内外装、個展等も行なっている.
近年は大絵馬や現代絵図を描き、奉納や文化の継承を進める傍ら
海外での個展開催・アートフェスティバルへ参加するなど表現は多岐に亘る.