「鯉」をモチーフに画家の内藤瑶子さんが2015年3月25日から制作をスタート、2015年4月17日に完成いたしました。
「鯉の堂々とした泳ぎ姿に、向上、進歩、繁栄への願いが普遍的であることを感じた」という内藤さんは、古来より縁起の良い魚として尊ばれている「鯉」が泳ぐ姿を、油絵の具やアクリル絵の具、墨と和紙によるコラージュなど、様々な素材・手法を用いて生き生きと描きました。また、入り口と窓側は「海外からのお客様に『日本』を感じていただけるように」と 、弁柄という神社や仏閣などにも用いられる日本の伝統色で塗りました。
壁画のメインとなるベッドの横には、鯉の背に乗り遊ぶ男の子。ゴツゴツとした岩を潜り抜けて行ったその先には、滝を昇ろうとしている鯉が描かれています。子供たちの、そして自分自身の成長を願う人々にとってのラッキーアイテムである 「鯉」が、この部屋を訪れる方にとってもラッキーアイテムでありますように、というアーティストの願いが込められています。
「アーティストルーム 鯉」で、壁の作品とともにごゆっくりとお過ごしください。
スタッフからのおすすめコメント
Room #3126 | 完成:2015.04
日本では、「鯉」は縁起の良い魚として古来から尊ばれています。これは「鯉が滝を登って龍になる」という中国の故事に由来するようです。子供の成長を願った端午の節句の「鯉のぼり」、刺青やデコトラといった「立身出世」を象徴するワイルドなデザインに至るまで、幅広い意匠として親しまれています。その堂々とした泳ぎ姿に、向上、進歩、繁栄への願いが普遍的であることを感じました。
鯉は子供たちの、そして自分自身の成長を願う全ての人々にとってのラッキーアイテム。
そういった兆しをこの部屋で感じていただければ幸いです。
内藤 瑶子
1985年、神奈川県茅ケ崎に生まれる。
高校を中退し、独学で油画、日本画、ドローイング、木版画などの多様な技法での制作を始める。また、即興/非即興音楽家の秋山徹次など実験音楽家とのコラボレーションも行い、木版画と音/音楽のパッケージである「円波」の刊行や、パフォーマンスイベント「波の会」の企画などを手掛ける。内藤の作品に共通しているのは、人間の持つ大らかさや中性的な魅力、そして心身一如の思想への関心である。 (株)羽黒洞木村東介、ギャラリーT-BOXなど、東京のギャラリーを中心に個展を開催。グループ企画、国内外のアートフェアなど多数出展。